新内協会鑑賞会 平成30年9月30日
梅経寒苦発清香
新内協会理事長 鶴賀若狭掾
新内の祖の初代鶴賀若狭掾生誕300年が過ぎ、新内の誕生から約260有余年が過ぎました。新内の作品は初代鶴賀若狭掾の明烏夢泡雪、らん蝶から始まって、二代目鶴賀鶴吉や新内の中興の祖である富士松櫓中の作品等が現代に伝わって語られています。
其々が長い年月を経て昇華淘汰されて素晴らしい古典となっております。
現代において新内の伝承継承を考察するに、現代に即した作品、現代人にも分かり易く楽しく聞く事の出来る新曲が求められると思います。新内の曲調、特徴を損なわず美しく魅力ある作品を若手演奏家が今後精力的に創作して行くべきでしょう。
浄瑠璃曲でも舞踊曲でもまた芝居仕立てでも、可能な限り挑戦し発表して新内の新たなる境地を開拓し、新内の存在を世に広めて新しい新内ファンを獲得する。
大衆におもねるのではなく時代に即し、時代に受け入れ易い作品を模索し、試行錯誤の努力が必要であるかと思います。まさに温故知新の精神です。
数少ない新内若手演奏家は難しい時期を迎えて苦労も多い事でしょうが、こう言う時の辛苦がいずれ実を結び立派な芸人に育ち清香を発するのです。老若共に研鑽して参ります。
新内愛好者の益々のご支援ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。