会主ご挨拶 – 2014年10月26日
鶴賀流十一代目家元 鶴賀若狭掾
錦織りなす紅葉が山を覆う行楽の好季節となりました。
皆様にはご清栄にてお過ごしのこととお慶び申し上げます。
平素はご支援お引き立て賜りまして誠に有り難う存じます。
本日はご多忙の処、ご来駕賜りまして厚く御礼を申し上げます。
新名取ご披露を兼ねました五年振りの演奏会の開催でございます。
この度は私のお弟子から四名、鶴賀伊勢一郎が一名、鶴賀伊勢吉が六名の名取を誕生させました。この二名が努力を重ね初めて名取を作り、私のお弟子と合わせて十一名が目出度く名取を許されました。
一人の名取を誕生させるには、師も弟子も丹精込めてかなりの時と根気とエネルギーを必要とし、また我慢のストレスを溜めたり発散しつつ達成します。
師弟は縁と相性が芸と人間の信頼関係を生み、芸道を共に進み今日の結果を生みます。
また私の国内や海外演奏旅行に同行し、私の三味線彈きとして活躍している鶴賀伊勢次郎が三味線弾きに留まらず太夫(語り手)として今後演奏活動をする為にも、永年親しまれた伊勢次郎から鶴賀伊勢吉と改名致しました。
合わせて改名記念のご報告の会でもあります。
今回は歌謡界の第一人者で、本年芸能五十周年を迎えた小林幸子さんをお迎えして、私と「婦系図」の湯島境内の場を競演して頂き錦上花を添えて下さいます。
また多くの先生方々のご祝詞と、諸先輩方の賛助出演を仰ぎ、そして多くの人に支えられて本日の演奏会を盛り上げて頂きます事は、誠に光栄に存じます。厚く御礼感謝申し上げます。
十一月にはフランスのパリとボルドー公演に出かけて新内を啓めて参ります。
今後ともご贔屓ご鞭撻のほど宜しくお願いを申しあげます。
終演までごゆるりとご鑑賞下さいますようお願いを申し上げます。