鶴賀鶴賀若狭掾 ご挨拶・令和5年11月12日
長い夏が過ぎ穏やかな秋の到来で、心落ち着くという間もなく、昨日は晩秋の風物詩の酉の市を迎えました。皆様にはそろそろ冬支度の時期となり,短い秋の中の何かとご多忙の事と存じます。
本日は久しぶりの鶴賀流の大祓い演奏会の開催と相成りました。新名取7名の誕生により、そのご披露を兼ねての賑やかな会となりました。
3年以上の厳しい稽古にて、節を覚え声を鍛え努力を重ね、名取を許されたお弟子さん方々が、新内の始祖の初代鶴賀若狭掾師の直筆掛け軸を前に、神前に於いて名取式を厳かに取り終えて鶴賀流の一員となります。
「教学相長」とは中国古書にある故事成語ですが、人に教える事は、自分も学ぶということです。お稽古はまさにその通りで、教える師匠も教わるお弟子さんも厳しい日頃の対面稽古の努力をかさねて、両者が共に上達進歩して行きます。苦しい中に喜びを見出して日々熟達していきます。「学びて時に之を習う」継続は力で結果を生みます。その新名取の皆さんと、長年お稽古に励む先輩の名取さん共々、切磋琢磨して芸道に精進して得た芸の披露の日であります。
賛助出演の諸先生、多くのご支援の皆様の応援を得て開催できます事を心より感謝申し上げます。季秋の好日、どうぞ終演までごゆるりとご鑑賞くださいませ。本日はご来場賜り誠に有り難う存じました。厚く御礼を申し上げます。