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鶴賀若狭掾便り 令和6年4月6日

本日は桜満開の中、ご来場いただきましてありがとうございます。 昨年11月に開催させていただきました「鶴賀流演奏会及び新名取披露公演」にはご来場いただき、ご厚乗情を賜りました事深く御礼申し上げます。 本年は、文化庁事業である学校巡回公演・ワークショップで地方の小学校をいくつか廻ります。新内節を次代に遺すべく弟子共々励んで参りたいと存じます。 終演まで、ごゆるりとお楽しみくださいませ。

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鶴賀鶴賀若狭掾 ご挨拶・令和5年11月12日

長い夏が過ぎ穏やかな秋の到来で、心落ち着くという間もなく、昨日は晩秋の風物詩の酉の市を迎えました。皆様にはそろそろ冬支度の時期となり,短い秋の中の何かとご多忙の事と存じます。 本日は久しぶりの鶴賀流の大祓い演奏会の開催と相成りました。新名取7名の誕生により、そのご披露を兼ねての賑やかな会となりました。3年以上の厳しい稽古にて、節を覚え声を鍛え努力を重ね、名取を許されたお弟子さん方々が、新内の始祖の初代鶴賀若狭掾師の直筆掛け軸を前に、神前に於いて名取式を厳かに取り終えて鶴賀流の一員となります。「教学相長」とは中国古書にある故事成語ですが、人に教える事は、自分も学ぶということです。お稽古はまさにそ~

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鶴賀若狭掾便り・令和5年8月27日

本日は猛暑の中、ご来場賜りまして誠にありがとうございます。 鶴賀若狭掾も一門も何とかこの息苦しい暑さを乗り切り、お稽古して参りました。 浴衣会恒例となりました、鶴賀若狭掾師匠が書き下しました新作では過去最高の11名が出演致します。『風流長屋芝居連』歌舞伎・新派・新国劇の名セリフを長屋連中が楽しくワイワイと演じます。また古典も端物から段物まで色とりどりです。 最後までごゆっくりとお楽しみくださいませ。 ゆかた会後に追加された情報 全演目へのユーチューブへのリンクはこちら。 https://www.youtube.com/channel/UC9G1OrnpA-AEUc2p66MHfCw/video~

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パートIII 新内鑑賞会 令和5年6月25日

新内協会理事長 鶴賀若狭掾 上野本牧亭と常連客 上野本牧亭の灯が消えて久しい。上野広小路近くに講談の定席として作られた小さな演芸場でしたが、新内も定席のように使用していた。私達の年代は若い頃は本牧亭に育てられて来ました。 初めの建物が昭和四七年に改築され広くなり、二階に売店も設置されて「いわちゃん」がこわい顔で切り盛りしていた声、木戸番の小柄な名物おじさんも目に浮かびます。 たくさんの思い出が残っていますが、中でも印象深いのが常連客でした。何処の流派の演奏会にも聞きに来ていた無流派籍です。新内の麻薬にどっぷりとつかり、新内を飯に掛けても喰いたいという新内通のうるさ方で耳も大変に肥えている。 そ~

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鶴賀若狭掾便り 令和5年3月4日

本日はお忙しい中、ご来場いただきましてありがとうございます。 鶴賀流では毎年、お弾き初め・浴衣会を開催させていただいております。 コロナ禍では配信のみの回もございましたが、一門にとりまして日頃の研鑽発表の機会は何より、励みであり楽しみです。 昨年は新名取が7名誕生し、この赤城神社で名取式を行いました。11月12日には四谷区民ホールにて、新名取披露を兼ねた一門の大浚いを開催致します。 ベテラン・中堅・新人いずれの出演者も精一杯、演奏致しますので、最後までごゆるりとお楽しみくださいませ。

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川と人の世

鶴賀若狭掾 鶴賀流11代目家元(会主) 「ゆく川の流れは絶えずして しかも元の水にあらず……」 鴨長明の『方丈記』の冒頭の、人の世の無常観を表した一節です。 川は水、水は命の根源で万物の命の母。儚い無常の人生は水に生かされる。その水が人の世を彩り創りそして物語を生む。豊かな水の流れが人を生かし楽しませ苦しませる。 苦楽の川の物語三題をテーマとした今回の演奏会。 日高川を舞台の安珍清姫『道成寺』と、隅田川(大川)端の柳橋を舞台に繰り広げる『酔月情話』と、男と女の嫉妬と恨みの作品の二題。 本年、没後100年の森鴎外作の『高瀬舟』。京都市中を流れる高瀬川、罪人を乗せて走る高瀬舟。現代に通じる欲と安楽~

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パートIII 新内鑑賞会 令和4年11月17日

新内協会理事長 鶴賀若狭掾 素浄瑠璃としての新内 新内は素浄瑠璃の演奏が主体となっています。昨今新内も舞踊や他の芸能との共曲を創ってはいますが、それでも殆ど素浄瑠璃が主体です。高座に上がって紋付袴で真っすぐ前を向いてお行儀よく語ります。 そのシンプルな型での素浄瑠璃演奏にて、語る内容を聴衆に理解して頂くのです。その為、節もことば(セリフとは言わない)も明瞭、明確に発声発音して語らなくてはなりません(浄瑠璃は唄うとは言わない)。古典は難解な文言が多いので、尚更はっきりと内容を伝える努力が必要です。何を語っているのか判らなくては、ストーリーは伝わらず興味も湧かず退屈なだけです。 魅力ある楽しい現代~

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鶴賀若狭掾便り 令和4年3月12日

桃の節句も過ぎようやく春めいてまいりました。コロナ禍・不穏な世相の中、ストレスはつきませんね。 この様な状況ではありますが、皆様にはご来場賜りまして誠にありがとうございます。 鶴賀流では年二回「浴衣会」と「お弾き初め」で社中の発表演奏会を開催しております。一門の弟子達が日頃の研鑽を発表する節目の大切な会でございます。 長い年月を重ねてお稽古をする方が多く、邦楽衰退の中、貴重な継承者です。 本年度は十年振りに名取式も予定しており、江戸浄瑠璃「新内節」を絶やす事なく継承して参りたいと思います。

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パートIII 新内鑑賞会 令和4年2月26日

ご挨拶 新内協会理事長 鶴賀若狭掾 今冬は例年に増して寒さ厳しく、雪国は豪雪に見舞われました。気象状況は毎年例年の如くにはいきません。天気予報も甚だ難しいようです。 その中、冬季オリンピック・パラリンピックがお隣の中国で開催の本年。昨年の東京開催のオリ・パラ同様に全世界が新コロナ感染拡大中での開催でアスリート諸氏には申し訳ないですが、今いち盛り上がりに欠けるような気がします。また厳戒態勢の開催地は異様な雰囲気で、まるで戦時下での競技熱戦でもあるようです。 選手はこの日の為に血の滲むような努力と汗と涙を流し、激しい錬磨に耐えて試合に臨む。アスリートは競技会の大小を問わず、そこにパフォーマンスをす~

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ご挨拶・令和3年11月25日

鶴賀若狭掾 鶴賀流11代目家元(会主) 江戸時代以降の芸能は廓を題材とした作品が多く見られます。落語にも廓話が多くありますが、三味線音楽も正に廓が主題のようです。これは近松門左衛門の名作浄瑠璃が人気を博し、それらが歌舞伎にも取り入れられて広まったためと思われます。 我が新内の三大名曲「蘭蝶」「明烏」「伊太八」も江戸吉原が舞台であり、遊女と馴染み客との世界。 遊女、女郎、花魁は遊郭や宿場で男性相手に性的サービスをする女性の事で、娼婦、売春婦の古い呼称。その中で花魁は最高級クラスの女性で格を表す呼び方であったそうです。 人身売買で廓に売られてきた少女は自らの意思で遊女になった訳ではなく、借金の方に~

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出版書籍『文化遺産の保存と活用– 仕組と実際–』

令和3年10月30日に、若狭掾師匠と大変懇意である、文化庁文化政策室長や埼玉県教育長など勤められたきました小松弥生先生が本を出されます。 『文化遺産の保存と活用– 仕組と実際–』 若狭掾師匠の事もご紹介しています。お堅い本ですが,日本文化遺産への思いが丁寧に書かれた本です。 本の詳細について: https://www.kuba.jp/syoseki/detail.php

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鶴賀若狭掾便り 令和3年9月5日 浴衣会

令和3年9月5日 コロナ禍という年月も2年を経ようとしております。この間、多くの方が困難に遭遇し苦しい思いをされていると存じます。 演奏家にとりましても厳しい状況ですが、恒例の浴衣会を開催させていただけること感謝申し上げます。 少しでも希望ある未来といつでもユーモアを忘れずにという思いを込めて、私の新作マンガ読本「十二支長屋秋宴」を上演させていただきます。 また鶴賀流には縁の深い古今亭志ん丸さんと伊勢吉が、私が脚色しました「新内 芝浜」を共演致します。 弟子一同、大変な中お稽古を継続して参りました。少しでも楽しんでいただければ幸いです。 また、昨年からユーチューブで演奏会を動画にアップしており~

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鶴賀若狭掾便り 令和3年3月6日

令和3年3月6日 昨年のお弾き初めは、世界がコロナ禍に突入し始める頃でした。世界中の人々が苦難の一年でまだ、続いております。 私も弟子もなんとか無事に過ごすことができました。音楽の実演家にとりましては表現の舞台が少なくなり、厳しい日々でしたが、それでも9月には浴衣会、11月には紀尾井小ホールでの演奏会を無事に開催できましたのは、皆様のお陰と感謝しております。 今年もお弾き初めから始まり、都フェスティバルでの新内演奏も予定しております。 私もまだまだ元気に新内節のために活動してまいります。弟子たちもお稽古を休むこともなく、精進致しました。 どうぞごゆっくり江戸の情緒をお楽しみください。 演奏会後~

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コロナ戦争中の演奏会

突然に世界中を恐怖におののかせ、社会を一変させた新コロナウイルス。拡散してそろそろ一年になりますが、終息するどころか益々感染者が拡大していく中、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。 日々コロナ感染対策に十分留意の生活ですが、コロナ禍のストレスも心配されます。然しコロナを恐れて人との付き合いを控え、外食飲食も我慢し行動範囲の制限を余儀なくされ、ステイホームのみの生活は神経が参り心を病む人が多いようです。 斯様な時期での演奏会の開催となりましたが、心と身体に滋養と安らぎと楽しみを、生きる望みを憂き世に配信。芸と取り組み活力と免疫力を高めてコロナに負けない芸魂を磨きます。 今回は【平家悲語-~

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鶴賀若狭掾便り 令和2年9月5日

ゆかた会での鶴賀若狭掾 世は新コロナウイルス禍による恐怖に対峙し騒然としています。目に見えない敵は更に恐怖が増します。大変な時代になりました。収束後も世の中は社会の仕組みも生活も大きな変化が起こるでしょう。そのような中をご来場賜りまして誠に有難うございます。皆様に安心してご覧頂けますように万全を期して安全を確保致しまして今日一日を楽しい演奏会にしたいと思っております。家に籠りがちな日々ですが、本日は少しストレスを解消してくださいませ。尚、本日の演奏はユーチューブで録画配信致します。期間やチャンネルは伊勢吉まで、お問い合わせください。Tel: 090-5390-2447E-mail: tsuru~

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鶴賀若狭掾のFacebookページから

令和2年4月21日 歳を取ってもじっとしていられない私は、毎日稽古と散歩は欠かさない。(本日は1万歩) 今日は、明日が例大祭ですが靖國神社へ参拝。左手に常にある特攻隊員の父母に当てた遺書を読み、歳を重ねて生かされている事に感謝。治にあって乱を忘れていた今こそ反省。小欲知足。当たり前に生きる事は有り難い。国難に耐えましょう。己れの為人の為に。

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鶴賀若狭掾便り 令和2年3月7日

令和2年3月7日 本日はご多忙の中、またウィルスによる騒動の中、ご来場いただきまして誠にありがとうございます。 皆様大変心配されていることと思います。健康面・精神面ともパニックにならぬよう気をつけたいものです。 三味線音楽の中でもとりわけ粋で艶っぽい新内ですが、お稽古する人も昔に比べると大分減ってきました。 その中、新内をご飯にふりかけて食べたいほど、好きな方々が本日日頃のお稽古の成果を発表する大切な日です。 どうぞお楽しみくださいませ。

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女と男の業ものがたり

業(ごう)とはカルマ(梵語)に由来する仏語で、解釈は宗教用語であり中々難しい。 前生の善悪の行動に依って現れる現世の報い。輪廻、因果、因縁、宿命等とも言われているようです。一般には業が深いとか、業の報いとか罪深いというような悪のイメージが強いかと思います。 今回のテーマの業は、男と女の深く激しい執着による行為の為す処を題材とした曲です。 波乱に満ちた人生を渡る人間は、誰しも理性では処せない行動に走るようです。 恋しい安珍を追う清姫。悪事を重ねる五右衛門。共に背負った因業に翻弄されて、妄執と悪道に魂を捧げ突き進む。清姫の業は嫉妬の炎、いずれは愛する安珍を焼き殺す。泥棒を生業とする五右衛門の業は殺~

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鶴賀若狭掾便り 令和元年8月31日

このところの猛暑で皆様夏バテ気味とは存じますがご来場いただきましてありがとうございます。 お弟子さん発表会というのは年に2回ございます。新年明けて初めての演奏会を「お弾き初め」。夏の盛りを過ぎた頃「浴衣会」。 お弟子さんにとっては日々のお稽古も楽しいですが、修練したことを発表することによりモチベーションも上がります。またお客様を目の前に非日常である環境の中、緊張感のある演奏を体験することにより芸が向上致します。 これは真実!!浴衣会恒例となりました新作発表。今回は「大山参詣騒動」という楽しい落語を基にした作品です。総勢11名で演奏致します。 初心者からベテランまで、個性豊かな演奏を最後までごゆ~

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三味線のレアな材料

新内協会理事長 鶴賀 若狭掾 新内協会合同研修会 令和元年7月28日 今年の梅雨期は例年よりもかなり長引きました。猛暑の夏を迎えて貴重な水資源ではありますが、三味線にとりましては大変に厄介な多湿の時季であります。 また乾燥が激しくてもいけません。私も真夏にフランスに参りました時に、三日目に勢いよく破れました。 また我々にとりまして誠に大事で、無くてはならない楽器の三味線の材料が極端に不足している現状です。まず皮が手に入り難く、代用としてカンガルーやヤギの皮、合成皮が研究されています。 棹の紅木はワシントン条約の分類で、現在は輸入禁止の状態であり、国内にある原木で賄うしかありません。これが尽きる~

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Part III 新内鑑賞会 令和元年6月1日

始祖元祖の言葉は尊い 新内協会理事長・新内節人間国宝 鶴賀若狭掾 義太夫の元祖である竹本義太夫の遺した有名な言葉に【口伝は師匠にあり稽古は花鳥風月にあり】があります。芸を修行会得する人にとり誠に深遠なる教えです。 新内節の始祖である初代鶴賀若狭掾の自筆の現存する掛け軸には【自他並木風聲に至る迄調子なき物はない 古人は馬のさけび雷なくを聞き 時鳥の一聲にて世の中を知ると有る… 云々】とあります。 自然と対峙し自然を感じ五感を研ぎ澄まし、自然から学ぶべしと両始祖が述べています。古典は師より教授伝授され、その上森羅万象に心を寄せ、感性を豊かにして修行し、己の肉体と精神を磨き芸を鍛錬せよとの教訓でしょ~

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お弾き初め会  平成31年3月9日

本日はご多忙の中、鶴賀若狭掾お弾き初め演奏会にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。 昨年も各所の演奏会やリサイタル等忙しく過ごして参りましたが、職業病でしょうか、声帯にポリープができ語り手としましては非常に神経を使い、薄氷を踏むような心持で舞台に上がっておりました。 今年は手術かなと覚悟しておりましたが、先日検査をしますとかなり小さくなっており、手術不要との事でした。 非常に珍しいケースのようですが、ホッと一安心しております。 本年も新内のために奔走する所存です。まずは一門のお浚い会。 最後までごゆっくりお楽しみくださいませ。  

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新内協会鑑賞会 平成30年9月30日

梅経寒苦発清香 新内協会理事長 鶴賀若狭掾 新内の祖の初代鶴賀若狭掾生誕300年が過ぎ、新内の誕生から約260有余年が過ぎました。新内の作品は初代鶴賀若狭掾の明烏夢泡雪、らん蝶から始まって、二代目鶴賀鶴吉や新内の中興の祖である富士松櫓中の作品等が現代に伝わって語られています。 其々が長い年月を経て昇華淘汰されて素晴らしい古典となっております。 現代において新内の伝承継承を考察するに、現代に即した作品、現代人にも分かり易く楽しく聞く事の出来る新曲が求められると思います。新内の曲調、特徴を損なわず美しく魅力ある作品を若手演奏家が今後精力的に創作して行くべきでしょう。 浄瑠璃曲でも舞踊曲でもまた芝居~

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お弾き初め会 平成30年2月25日

一年の経つのは早いものですね。 お弾き初めの季節となりました。昨年の私は体調を崩して、体のメンテナンスに励む期間もありましたが、リサイタルや地方公演、スペイン公演、新作に取り組み、ラジオ録音と年齢を忘れるほど、精力的に活動させていただきました。 2月初頭に何十年かぶりにインフルエンザにかかりましたが、今年も様々な演奏活動を計画しております。 神楽坂の地域誌「かぐらむら」を皆さん、よく目にすることがおありでしょう。 96号も続いている、神楽坂の宝ともいうべき本です。 私も海外公演の体験談など30話寄稿してきました。 その「かぐらむら」が残念ながら、100号限りで休刊となります。 そこであとの4話~

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ご挨拶

本年も残す処あとひと月となりました。 今年も皆様には多大なご支援を賜り厚く御礼を申し上げます。 内憂外患の激しい一年でしたが、世が平和で健康に暮らすのが一番です。 昨年に初代鶴賀若狭掾の生誕300年記念演奏会を開催しましたが、実は今年が丁度 満300歳に当たります。 そこで今回のリサイタルも生誕300年記念と銘打つ事としました。 初代の代表曲の「蘭蝶」と、初代の息女で2代目家元鶴賀鶴吉作の「関取千両幟」を選びました。 「蘭蝶」は鶴賀伊勢笑が語ります。伊勢笑はアメリカ人で約20年の芸歴です。 初代はまさかアメリカ人が新内を語るとは夢にも想像もしていなかったでしょう。 また私も世界40ヵ国を歴訪し~

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鶴賀若狭掾便り

本日はお暑い中、ご来場いただきまして誠にありがとうございます。 夏らしい夏を過ごす事も少ないままに、九月に入りました。 毎年2回弟子の発表会を開催しておりますが、今回は私の新作の発表、舞踊、並びに伊勢吉の端唄コーナーなど、色とりどりです。 長い時間ですが、最後までごゆるりとお楽しみください。 今年も演奏会は盛沢山です。 日本各地はもとより、スペインのマドリードで公演して参ります。 新内の伝承・継承・普及のため、飛び回って参ります。

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怒れる自然界

集中豪雨によって日本各地で洪水の被害にあい、多くの方々が罹災しています。 殊に九州地方では前の地震の災害に引き続き暑い中をご苦労なされています。 お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りし、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。 地震はともかく豪雨は日本のみならず、世界各地で大水害が起きています。 まさに地球温暖化の影響なのでしょう。 地球温暖化防止条約のパリ協定も、アメリカ、中国の二大大国の反対でまとまりを欠いている状況です。 このままではいずれ人類も地球も滅び行くでしょう。 人間の飽く無き欲望の行き着く末路かも知れません。自然界は怒り、地球は泣いています。 「地震・雷・火事・水害」が~

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鶴賀若狭掾便り

春の柔らかな空気に心地よい日が続いております。 世の中は色々と騒々しいようですが、本日は江戸の粋と艶の世界にひと時お付き合いください。 新内を趣味に持つということは、かなりの芸好きであると思います。 新内は、最初に「蘭蝶」を習いますが、20分位の演目を覚えることはたやすいことではありません。 習得するペースは人それぞれですが、こうした発表会に出ることでかなり上達致します。 人前で芸を披露するということは、お稽古に対する真剣さも自ずと変わって参ります。 ベテランから初舞台の者。皆、真剣に粋に楽しくお稽古してきました。 プロの演奏家とはまた一味違った良さがあるかと思います。 どうぞ最後までお楽しみ~

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ご挨拶

会主 鶴賀若狭掾 鶴賀流十一代目家元 新内浄瑠璃 重要無形文化財保持者(人間国宝) 新内の元祖たる初代鶴賀若狭掾が生誕して本年は数え年の300歳に当たります。 初代の節目のお祝いの会を開催出来ます事は、11代目の私にとりまして誠に幸運であり、此の上なく光栄な出会いの一期であると感激をしております。 新内が初代以来、多くの後継者を経て発展を遂げ、伝統音楽として脈々と現在に受け継がれています。 創始者がいてこそ流派が存在します。 本日の新内演奏会は初代の作品を主に、大いなる感謝を込めて、初代に捧げ誠心誠意一曲入魂の心で、偉大なる新内の始祖を讃えたいと思います。 また弟子の鶴賀伊勢吉は、永年弛まざる~

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新作新内への取組み

新内協会理事長  鶴賀若狭掾 日本の伝統文化芸術が失われつつあるのは悲しくも周知の事実です。伝統芸能音楽もその中の一つでもあり、消滅の危機が叫ばれて久しいようです。それ程案ずる事はないと楽観視する方も中にはいますが、私は心配性なのかその危惧を訴えている一人であります。 その理由は兎も角として、新内の発展伝承の打開策を考えなくてはなりません。その一つとして新曲を創作することも大事と考えております。古典をベースとした曲調に、現代人が理解しやすく、楽しく分かり易い内容の作品を提供する。古典も最初は新曲でした。 名曲を即創る事は無理ですが、試行を重ねて新内の門戸を広げ、徐々に古典の素晴らしさに触れて頂~

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新内ゆかた会2016

オリンピック・パラリンピックに心躍る夏でしたね。日本人の活躍に励まされました。 夏の香残る9月。お暑い中、ご来場ありがとうございます。 11月20日の「初代鶴賀若狭掾生誕300年祭」という大きな会の直前ですが、お弟子さん方の日頃の研鑽を発表致したく、恒例の浴衣会を開催致しました。 初舞台からベテランまで一生懸命演奏させていただきます。今回、「酔月冗話」という私の新作も初お披露目致します。 最後までごゆっくりとお楽しみください。

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日本の夏の音

ブラジルのリオデジャネイロで夏季オリンピックが開催されて日本選手の活躍に一喜一憂し、暑い最中に熱くなって応援してます。 ブラジルは南半球ですので現在の気候は冬季ですから、それほど暑くはないのかもしれません。然し治安の悪さが懸念されていますから、選手も応援に出掛ける人も命がけでの遠征です。 猛暑の日本、夏のバカンスを海山に涼を求めて出掛けたいものです。 日本の夏には夏の音があります。 それぞれがどういう音に夏を感じるのでしょうか。 セミの鳴き声、風鈴の音、花火の音、盆踊りの太鼓の音、夕立の雨音、高校野球中継の音等々と、夏特有の音が実感として耳に残ります。 昔はそれに加えて金魚売りや風鈴屋の売り声~

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桜梅桃李(おうばいとうり)

新内協会理事長  鶴賀若狭掾 春風駘蕩の好季節となりました。山川草木は春の装いを寒い冬から心浮く春へと移ろいます。 木々も梅から咲き初め、桃から李、桜と順に美しい花を咲かせます。 【桜梅桃李】という言葉があります。 各々がそれぞれの特性を生かして見事な花を咲かせると云う事です。 他人と自分とを比較するのではなく、他にはない自分だけが持つ、豊かな個性を伸ばして開花させる。 人生も芸も同じ事が言えます。 芸は人と競うことではありません。 勝つべきは他人ではなく自分です。 芸は人間性が如実に顕われます。芸道に励み、鍛に煉を加え日々稽古に励む事に依って、己が心を磨き、辛苦を経て、慢心する事無く、魅力あ~

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新作新内への取組み

日本の伝統文化芸術が失われつつあるのは悲しくも周知の事実です。 伝統芸能音楽もその中の一つでもあり、消滅の危機が叫ばれて久しいようです。 それ程案ずる事はないと楽観視する方も中にはいますが、私は心配性なのかその危惧を訴えている一人であります。 その理由は兎も角として、新内の発展伝承の打開策を考えなくてはなりません。 その一つとして新曲を創作することも大事と考えております。 古典をベースとした曲調に、現代人が理解しやすく、楽しく分かり易い内容の作品を提供する。 古典も最初は新曲でした。名曲を即創る事は無理ですが、試行を重ねて新内の門戸を広げ、徐々に古典の素晴らしさに触れて頂くのは大切な事です。 ~

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ご挨拶 – 新内の会

会主  鶴賀若狭掾 暖かい霜月でしたが、皆様にはご健勝にて師走をお迎えの事と存じます。 日頃は多大なご支援を賜りまして誠に有難うございます。 本年も多くの事件や甚大な被害をもたらした災害等が多発し、厳しい一年でありました。 文化芸術は太平の世の中にこそ発展があります。 また文化芸術が果たす役割と価値は大きくそして重要な存在意義をもちます。 年年歳歳、伝統芸能も少子高齢化が進みます。私も高齢者の仲間ですが、お陰様で健康にして意気軒昂であり、新内の為に尽力貢献する壮年新内語りでありたいと願っています。 今回の新内の会は「明治の女・月三題」をテーマにしました。 泉鏡花作「婦系図」の湯島境内の箇所を脚~

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生涯修行の道

新内協会理事長  鶴賀若狭掾 【楽あれば苦あり】【楽は苦の種 苦は楽の種】と申します。苦労を厭わず我慢し努力を続けるならばそれがいつの日か楽しい事が必ずや訪れる。 楽しみばかりを追い求め、苦労もせず努力を怠りなまけてばかりに過ごせば、いずれ必ず苦しめに会う。 楽と苦の原因と結果は因果関係にあり、顕著にその結末が出てくる。 芸道は何事に依らず若いうちに苦労し努力して技術を磨き、知識を蓄え教養を身に付けるべし。 頭は柔らかいうち、鉄は熱いうち…。 年を重ねる程に全てが衰えて行くとつくづく感じ情けない。 【少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んず可からず】 若手と云われている内に寸暇を惜しんで芸を磨~

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師走を迎えて

本年は昭和90年、戦後70年等多くの節目の年でした。 そして世界中で災害、事故、事件が多発しました。快適な生活を追い求める社会の流れとは反して起きる悲惨な現状です。そして人間の際限のない欲望が地球を破壊するようです。 今年もあと1ヶ月で暮れて行きます。芸道を志す私達は芸の修行、鍛練に怠りはなくとも、社会人の一員として次世代を、未来を見据えて役目を果たして行きたいものです。 一年の総決算の節目を迎えて反省と希望を以て新年を迎えましょう。 新内協会理事長  鶴賀若狭掾 平成17年12月6日

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落語と私、私と落語

私が初めて落語を聴いたのは小学校5年生の時、ラジオ放送で古今亭志ん生師の「鮑のし」であった。 はっきり記憶しているのは、あまり面白かったので母に内容を聴かせた。 すると母はお父さんにも聴かせてあげてと言われた。帰宅した父(初代鶴賀伊勢太夫)に得意になって話した。 面白いねと父も喜んだ。 私は父母がこの噺を知らないと思っていたのであるが、後で父は中学の頃から寄席に通った程の落語通と聞いた。 やはりDNAだと思う。 私はそれ以来落語のフアンになる。父母ともよく寄席に通った。 私と落語の出会いはラジオだが、母と志ん生師との出会いは戦前に遡る。 母は昭和3年に現在の私の自宅の場所で小料理屋「喜久家」を~

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鶴賀若狭掾便り – 新内浴衣会2015

本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。 猛暑の日々でしたが、夏バテせず何とか乗り切りました。 昨年を振り返りますと、海外はパリ公演、国内に於いては国立劇場での新名取披露公演、小林幸子さんとの共演等大きなイベントが続きました。 個人的な喜びとしては娘・孫3人と打ち揃って初共演でき、感慨ひとしおでした。 本日の浴衣会では落語を元にした楽しい新作を発表・初上演致します。 八王子車人形との共演。弟子達が山形合宿で猛稽古した成果が期待できると信じております。 また、花柳貴比門下・孫の茉莉子と貴比さんの姪のくるみちゃんが舞踊で可愛らしい華を添えてくれます。 孫(小六)の佳吾が「帰咲名残命毛」~

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暑中稽古 寒稽古

新内協会理事長 鶴賀 若狭掾 梅雨明けしてから猛暑が日本列島を覆います。 昔は寒稽古、暑中稽古が在りましたようです。 エアコンの無い時分ですからさぞや身体に堪えた稽古であったと想像が付きますが、そういった厳しい稽古をしてこそ芸が身に付き優れた芸人に育っていきます。 緩やかにのんびりと適当にやるのは稽古ではなくただの遊びごと。素人の方も商売人も己に厳しく高い目標を持ち、師匠や先達の教えに随い稽古に励みたいとものです。 その中に芸の深遠さに触れる醍醐味や楽しみ面白みを見出すでしょう。 刹那的な世の中に長いスパンの取り組みは人生を豊かにします。 新内と長—いお付き合いをして下さい。猛暑厳~

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フランス新内公演紀行(3)

第3回 ワインの街ボルドー 新内に酔う 新内協会理事長・新内節人間国宝 鶴賀若狭掾 あまり変化のない田園風景の中、快適な車中でボルドーへ到着。 ホテルは駅の近くで便利は良いが、部屋も設備も従業員もパリと同じ程度のホテルでもう慣れた。ボルドー市には路面電車が市内を走っているので、移動にタクシーを使わずに便利である。 世界に名高いワインの街であるボルドーは、大西洋からガロンヌ川を100キロ程上流の河畔にある。高い建物は無く落ち着いた街でワインのシャトーが数百軒あるそうだ。 美味しいワインが飲みたくて来た訳でもないが、大いに期待はして来た。当然ながらその前に演奏公演が控えている。 市街地から車で20~

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フランス新内公演紀行(2)

第2回 パリの空の下 新内が流れる 新内協会理事長・新内節人間国宝 鶴賀若狭掾 6月の下見とは違いかなりの寒さを予想して重装備で乗り込む。 今度は中型バスの出迎えで何の心配もなく市内に到着する。 新内3名、日舞1名、八王子車人形2名、照明1名。随行1名の8名は、そのままパリ日本文化会館へ直行した。 随行のステファニー(伊勢笑)は下見にも同行したが、私の海外公演には度々一緒に行って、通訳やら舞台スタッフの一員や、私の付き人等と、何かと世話になり本当に助けてもらっている有り難いお弟子さんである。 そして何時も自費参加である。 会場へ入ってから直ぐに照明の仕込みや舞台機構のチェックと、休む間も無しの~

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フランス新内公演紀行(1)

第1回 パリの空の下 新内が流れる 新内協会理事長・新内節人間国宝 鶴賀若狭掾 日本文化会館の方々と共に[/caption]10年振りにパリヘ行ったのが昨年の6月であった。11月に催す公演の下見と打ち合わせを兼ねて、私と花柳さんと弟子のステファニーの3人で出掛けたのである。 パリ市街は東京と違って新しい高層ビルが建てられないのか、以前と余り変わっていないと思う。 会場予定のパリ日本文化会館へ行き、舞台や舞台機構の説明やら、演目の相談をした。 公演なしの下見の気楽な旅とのんきにやって来たが、それがいやはやとんだ目に会った。 まず空港へ着いた初日から大変苦労したのである。荷物を取ってバスで市内に行~

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会の発足にあたって

文化庁文化交流使の会代表 鶴賀若狭掾 文化庁事業の文化交流使に指名されて、世界各地に赴き、夫々の使命を果たして来た交流使。 その卒業生達が幾度か集い、盃を重ねるうちに多岐に亘るジャンルのスペシャリストが、1年度だけの交流使で散るのは勿体ないのではとの風が吹いて来た。 交流使時に経験した滞在先や仕事先、ワークショップ等の諸問題に直面して、苦労して培った体験やノウハウを後の方々に活かすべきではとの思い。 またこれだけ多くの芸術家、文化人が出会い、コミュニティを形勢するにあたっては、志を一つにする有志が集まり、日本文化を世界に広め理解を深化させ、交流を促進する手助けをしようとの熱い思い、等から自発的~

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新内の担い手の自覚

新内協会理事長 鶴賀若狭掾 今年は例年になく春の寒さが長く続きましたが、漸く桜前線が北上して日本列島を華やかに彩り初めました。 数年前までは北国へ出掛けますと、地元の人達から「昔は沢山雪が降り、軒先まで積もったものだが、近頃は温暖化なのかめっきり雪が少ない」という事を聞いたものです。 然し近年はどこも大雪で苦労しているようです。自然界は常に一定ではなく周期的に変化するものです。 脈々と続く古典芸能も基本、基調をなすものは不変ですが、時の流れにより意識的に変えようとしなくとも、社会や時代の変貌は少なからず、古典に新しい息吹をもたらします。 これは自然の流れであり、変化が永遠の潮流である証かも知れ~

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節目の年に復活

新内協会理事長  鶴賀若狭掾 今年は昭和90年であり、戦後70年の節目であります。 あの敗戦を機に日本の世の中は大きく変化を遂げました。生活は快適になり、この先何処まで際限なく欲を追及するのでしょうか。 然しどこまで文明が発達しても、文化を失っては人は生きてはいけません。 文化力の持つ大いなるパワーをもっと見直すべきでしょう。 この節目の年に当たり、新内協会は暫く途絶えていました「新内鑑賞会」を復活させる事と致しました。 家元のみの出演でありました前回までの会を、今回から若手演奏家も出演して、新内界発展の機運を盛り上げて参りたいと存じます。 新内を伝承継承して行く為にも、多くの演奏会を開催する~

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ご挨拶

鶴賀若狭掾 重要無形文化財保持者(人間国宝) 十一世鶴賀流家元 新内協会理事長 日本ほど自国の芸能、とりわけ伝統音楽を大事に扱わない国は世界に例を見ません。 情けない悲しい事ではありませんか。そして恥ずかしい事なのです。 私は世界40か国以上出掛けて演奏をして来ましたが、いずれの国でも日本の歴史、伝統に対して尊敬と憧憬の念を持っているのです。 我が国はどうして伝統音楽を軽視するようになったのでしょうか。 それは明治維新から、政府か役人が西洋文化に傾倒し、自国の音楽を蔑視した結果です。 そして学校の音楽教育を五線譜による西洋音楽にしたのです。 ところが今、国も気付いたのでしょうか。学校教育に邦楽~

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古典の継承 現代の意欲 未来への遺産

新年明けましておめでとうございます。 師走の慌ただしい中の総選挙も与党の大勝の結果となり、年末の忘年会やクリスマスも賑やかな音楽を交えて過ごし、一年を振り返りつつ、心健やかにそして清々しく、そしてご健勝にてお正月をお迎えの事と、お慶び申し上げます。 ここに新しい年に新しい会の幕明けです。 明日を担い、次代に古典を繋ぐ若い演奏家が、各自の責任と使命を自覚して、能力を結集し、新企画を以て夢膨らませ、希望に満ちた力強い、そしてフレッシュな会の誕生です。 その名も【弓弦葉の会】 若手女性三名に依る何とも力強い命名です。 義太夫の太夫一名、三味線弾き一名、新内の太夫一名の三人、それは上方の浄瑠璃「義太夫~

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師走の多忙さ…

年末も昔のような慌ただしさは薄れて来たようです。 国も企業の会計年度も年末ではなく、家庭経済も一年の区切りが大晦日ではなくなってきた為でしょうか。 年の瀬の長屋の慌てふためくおかしさや切なさ哀しさを展開する落語や俳句も狂歌も馴染みが薄くなり、とんと理解出来ない人が増えたようです。 でも現代では借金苦で追い回されて一年中大晦日の人も多いようです。 今年の師走はまさに師(先生)が走り回る大忙しの時期です。 12月の総選挙で選挙運動に地盤を駆けて、党の政策を訴え票の獲得に躍起です。 芸に生きる私達も政治に無縁ではありません。日本の優れた文化力を以て世界平和に貢献できるよう、私達は文化人として日本人と~

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会主ご挨拶 – 2014年10月26日

鶴賀流十一代目家元 鶴賀若狭掾 錦織りなす紅葉が山を覆う行楽の好季節となりました。 皆様にはご清栄にてお過ごしのこととお慶び申し上げます。 平素はご支援お引き立て賜りまして誠に有り難う存じます。 本日はご多忙の処、ご来駕賜りまして厚く御礼を申し上げます。 新名取ご披露を兼ねました五年振りの演奏会の開催でございます。 この度は私のお弟子から四名、鶴賀伊勢一郎が一名、鶴賀伊勢吉が六名の名取を誕生させました。この二名が努力を重ね初めて名取を作り、私のお弟子と合わせて十一名が目出度く名取を許されました。 一人の名取を誕生させるには、師も弟子も丹精込めてかなりの時と根気とエネルギーを必要とし、また我慢の~

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音楽は振動のエネルギー

新内協会理事長 鶴賀 若狭掾 音楽は聴くものですから、耳に依って伝わり、五感に響いて聴く人の心に届く。 如何なる音曲も耳を通して体内に入るのでありますが、これは音として聴き、メロディーとして心の感性に伝わります。また音は振動の伝達でありますから、耳からだけで伝わるのではないようです。心地よい振動のエネルギーが、聴き手の五臓六腑や血液や細胞全体で音楽を受けているのでしょう。 音を楽しむと書いて音楽です。音楽の良い振動が心を癒してくれるのであります。 人間だけではありません、美しい音楽は草や花も動物も水も癒します。 声も楽器も音を出す事にては同じです。我々音楽家は純粋な美しい心と技芸の向上に精進し~

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豊かな水の日本

新内協会理事長 鶴賀 若狭掾 日本列島は春の菜種梅雨から6月の梅雨時期と夏の台風、秋雨前線に冬の雪と、まるで水責めに合うが如くではあります。 然しこの豊富な水が日本人の心を培ったと言えます。 水害に合われた方々には誠にお気の毒に存じますが、日本の地理的条件と自然条件が国民性を育み、この自然が素晴らしい文化芸術と技術を生んだのです。 空気と水が全ての源であり、国も人も美しく優しく豊かな精神性を与えてくれます。 日本の優れた美意識が世界に冠たる芸術技術を日本人が創りました。 世界を廻ってみて日本の優秀さを実感します。新内もその中の一つで、美しい江戸の浄瑠璃であります。 皆さんと共に末水く新内を愛し~

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「時分の花」と「真の花」

新内協会理事長 鶴賀 若狭掾 4年に一度のスポーツの祭典であるオリンピックも華やかな中に幕を閉じました。 オリンピックは参加する事に意義があると言われるが、近頃はメダルを取る事に意義があるように変わって来たと感じます。 選手の育成に国が金をかけてメダルの奪取に威信をかける。オリンピックもアマチュアリズムから逸脱して来た様相を呈してきたが、それでも若者アスリートの純粋崇高なスポーツ祭りであるから楽しさも華やかさもあります。 芸の世界は子供の時から修業鍛錬稽古を積んでも、熟達した完成度の高い芸は若い世代では難しいようで、そのところがスポーツと芸の相違点です。 能の世阿弥の「風姿花伝」の(年来稽古)~

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鶴賀若狭掾便り

鶴賀若狭掾お弾き初め会 2014年3月1日 本日はご来場いただきましてありがとうござにいます。 あの大雪には参りましたね。わたしも何年かぶりに雪かきに精を出しました。 今年は5年ぶりに国立劇場で名取披露の演参会を餃します。新名取さんは6-7名になるかと思います。 新内節は浄瑠璃ですから、一演目か非常に長くお稽古も根気か要リますか皆よく励みました。 5月には名取式かあります。名取式は流儀の名前免状を与えられ、流派の家元と盃を交わL、300年続いてきた鶴賀流の正式な門葉となります。式は初代鶴賀若狭掾直筆の掛け軸を掛け厳粛に取り行います。 国立の演奏会では釿名取披露以外にも楽しい演目を予定しておりま~

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拍子木の打ち手を募集

十一月の三の酉の市も終わり師走に入りまして心忙しくなって参りました。 今年は水害の多い年でしたが、これは異常気象が原因であり、自然災害ではなく人災でしょう。地球は住み難く成ってきています。 皆様にはどのような今年でしたか。年の瀬を迎えて恙ない本年を過ごしたいと願っております。 新内の演奏会には必ず柝(拍子木)を打っておりました新内梅八太夫さんが、今年の夏に亡くなりました。重要な役割で貴重な存在でしたが、その後継者がおりませんので困っております。演奏の始めと終わりに柝が入りませんと間が抜けまして、どうにも締まりません。 そこで新内協会ではどなたかこの柝を打つ人(狂言方)を募集しております。 簡単~

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鶴賀若狭掾便り

本日はご来場いただきましてありがとうございます。 酷暑でしたね。皆さん夏バテは大丈夫でしたか? 私はなんとか乗り切り元気に新内道に励んでいます。 今年は海外公演がなく、じっくり新作を2~3創作しました。 9月からは少々忙しく、吟詠の会の出演や毎年恒例の石川県白山市公演等々あります。 来年の10月26日には久々に国立劇場で大浚いの会を開催する予定です。 新名取も5~6名披露できるかと存じます。 ごゆるりとお楽しみください。 9月7日「新内浴衣会のご案内」から

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入梅と紫陽花と七夕

新内協会理事長 鶴賀 若狭掾 一年の中間時期である今頃は、梅雨と紫陽花の季節です。鬱陶しいとかジメジメして厭だなどといってはいけません。此の梅雨は誠に有り難い、日本を潤す慈雨です。この後に来る猛暑の夏を控えて、水田に水を溜めて稲作が可能となり、日本の主食たる米が獲れるし、生活に欠かせない貴重な水資源です。 秋の台風と冬の雪も豊かな国土を作り、日本の心を育てます。この気候風土と地理的条件とを合わせてわが国の世界に誇る文化芸能が生まれたのです。 新内もその一つで、繊細で粋で美しい音楽であります。プロもアマチュアも新内を愛する全ての人と、新内を大切に豊かに伝承継承して後世に伝えて行きたいものです。 ~

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ポーランドとラトビア公演記 – 2012年

昨年の東北大震災直後に行ったポーランド公演は、昨年に本誌にその紀行文を掲載したが、その時の公演が縁で今年の7月に招聘された。 クラクフ市から南へ約120キロ程にあるスターリ・ソンチと言う小さな古いそして静かな町がある。 この町でアーリー音楽祭が開催される。1年前に始まったこの音楽祭の企画は「音楽の対比―ヨーロッパとアジア」と題して、アジアの文化と習慣を紹介するコンサートである。昨年の第一回は中国とイランが参加し、今年は日本とインドが招かれた。この音楽祭の音楽芸術監督が、昨年クラクフで公演した我々の公演を観て招聘することを決めたのである。クラクフの知人を介して打診があったのが昨年で、私は快く引き~

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ご挨拶

目まぐるしい世相を余所に今年も7月はポーランドとラトビアへ11月はシンガポールとの3ヶ国に出かけました。 二度とも国の要請ではなく現地からのオファーでしたから、出発までの準備が今までになく骨が折れました。特にポーランドとは英語での交渉でしたので苦労しましたが、公演は国々で楽しく有意義な出会いが多く、文化交流の役目を果たして来ました。 この公演での主演目である「道成寺」を今回は凱旋公演致します。新内の「日高川入相花王」をベースにして、能の鐘入りを加え、車人形と日舞との四者のコラボレーションにて舞台を構成しました。それと古典の名曲「明烏夢泡雪」の素浄瑠璃です。上の段を私が語り、下の段を鶴賀伊勢次郎~

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新内合同研修演奏会 ご挨拶

ご挨拶 本年も早や残すところ1ヶ月となりました。 今年も国の内外で多くの事件や事故が多発しました。 悲惨、残酷で暗い出来事の中で一つの明るいニュースは、京都大学の山中仲弥教授のiPS細胞の開発でしょう。 生命科学の常識を覆し、あらゆる細胞や臓器となるとされるiPS細胞は、難病に苦しむ方々の朗報であり、医療革命をもたらすといわれます。 神の領域に入ったような人間の英知かも知れません。 山中教授は50歳の若さでノーベル賞の受賞、そして文化勲章も受章したのです。 理由も判然としない不透明なるお上からの受賞もある中で、誠に健やかで爽やかなる受賞であると感じる人が多いようで、私達にも嬉しい快挙です。 出~

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新内の始祖、「初代 鶴賀若狭掾」の記念碑

新内節の祖である初代鶴賀若狭掾は1716年に現在の福井県敦賀市で生まれた。 若い頃に江戸へ下り芝の高輪に住む。 宮古路豊後掾の門人であった富士松薩摩の門下となり富士松敦賀と名乗っていた。その後師と決別し朝日敦賀太夫と名乗りっていたが、朝日の苗字は公より禁止された為に出生の地の名を取って、1751年に鶴賀若狭掾と改名し鶴賀節の祖となる。 「明烏夢泡雪」「若木仇名草(らん蝶)」「伊太八」等を多数作曲し、シンガーソングライターとして活躍し新内を世に知らしめる。1786年没。 今年の10月22日に初代鶴賀若狭掾の顕彰碑が、福井県敦賀市内の由緒ある気比神社大鳥居の前に設置され、その除幕式が行われた。顕彰~

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鶴賀若狭掾一門浴衣発売!!

今年は久しぶりに一門のお揃いの浴衣を作りました。 紺地の新内らしい粋な浴衣です。 この機に是非皆様にもお召しいただきたいと存じます。 9月2日(日)には浴衣会もあります。(別途報告) その時にご一緒に着ましょう! ★一反 15,000円(送料込) (お仕立てご希望の方はご紹介します) お申込み tsuruga11@nifty.com jiro-changenki@i.softbank.jp 電話・FAX : 03(3260)1804

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小林幸子(歌手)× 鶴賀若狭掾

最近TV取材が続きます。 今回は演歌界のスター小林幸子さんとの対談です。 各界で活躍する著名人が、一度会ってみたい人を指名しフリートークをするといった番組で大人が満足できる実り多いトーク番組です。こちらはBS放送です。神楽坂の私の稽古場で収録致しました。 是非ご覧ください。 BS12 TwellV [トーク・ロック」 5月27日(日)18時~18時30分 第10回 小林幸子(歌手)× 鶴賀若狭掾(新内浄瑠璃人間国宝)

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鶴賀若狭掾 インターネットテレビに出演

フジTV系のインターネットテレビに鶴賀若狭掾が出演しています。 「大杉 漣の連写でGO」 神楽坂編 ④ http://misanga.fujitv.co.jp/episode/479 俳優の大杉 漣さんが神楽坂を散策する中で若狭掾の稽古場を訪ねて新内についておしゃべりする風景が紹介されています。 どうぞご覧ください。

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伝承芸の真摯な取り組み

新内若手伝承考育成研修発表会ご挨拶 新内協会理事長 鶴賀若狭禄 日本伝統音楽の後継者不足により継承の危機が、各ジャンルを超えて叫ばれてから久しい。芸の種類によって事情や継承危機の内容が若干異なるが、先行きの心元なさは大同小異であり、各々頭を悩ませている現状であろうと思われる。その悩ましい問題を各流派が其々の方策や試行を重ね、各団体が一丸となり或るいは個人が危機感を抱いて精力的に活動している人もいる。そう言った個々の活動と、存続の危機を訴えてきた声が届いたのか、国も伝統芸能の衰退を由々しき事と認識したようで、その為の文化予算も増額されたようであった。然しその矢先に昨年の東北大災害によって未曾有の~

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鶴賀若狭橡通信

今年の冬は普寒かった時代を思い出させるような寒さですね。 昨年はバルト3国へ車人形と遠征致しました。ラトビア・エストニア・リトアニアと日本人には中々イメージできない馴染みのない国々ですが、治安安全・旧市街の美しさ、人々は文化的なものへの理解が深く、優しく、シャイで思いがけず日本人と相性の良い素晴らしい国々でした。 今年もいくつか海外公演のオファがきており、またの機会にご報告します。

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鶴賀若狭掾通信

毎日お寒い日が続いておりますが年初は如何お過ごしですか 世界が激変の中どのような世の中になるのか予想もつきません 難問山積のうちに私は新内道に活動を始めました 久し振りに私がNHKTVに出演を致します 昨日十二日に収録が済み、漸く私に正月が来ました 「らん蝶」と「明烏夢泡雪」の2曲のさわりを語ります お時間がございましたらご笑覧下さい ~~~~~~ ◆ 一月二十七日(金)午後十時十五分~五十八分 ◆ NHKTV ② Eテレ 芸能百花繚乱「新内を味わう」 浄瑠璃・鶴賀若狭掾 三味線・新内仲三郎 上調子・鶴賀伊勢一郎

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ご挨拶 – 12月18日 リサイタル

鶴賀流十一代目家元 新内節人間国宝 鶴賀若狭橡 日本国大受難の今年も残す処あと二週間となりました。私は其の国難の中を国内外で新内演奏活動して廻りました。 三月の東北大震災直後の困難な中をポーランド、十月にはバルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)へ外務省の要請で海外公演に出かけました。ポーランドでは「蘭蝶」と日本舞踊二題と、本日の演目の「蜘蛛の糸」を上演しました。 またクラクフでは会場の皆様が真心善意にて集まった、震災への義援金をお預かりし、新聞社へ届けました。 バルト3国では八王子車人形と「八百屋お七」と「佐倉義民伝の甚兵衛の渡し」を上演。二度の遠征4国とも大盛況、大歓迎を受け日本伝統~

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天災人災の年 – 12月4日 新内協会演奏会

残すところあとーカ月の本年、新内を愛好賜る皆様には多大なご支援を頂き誠に有り難う存じます。 今年は大変な一年でした。芸一筋の私達の生活も世の中の動向情勢に左右されます。 今年ほど日本が災害に見舞われそして甚大な被害を被った年は戦後初めてであります。 今更言うまでもなく東日本を襲った大地震と津波は、多くの犠牲者と計り知れない被害の残酷な傷痕を残したのでした。 その後に大雨による水害でまたまた人命、家屋財産が流されて無残な爪痕が残りました。 この自然災害と原発事故の人的災害等による放射能汚染と財政危機。借金大国日本。TPP問題等。 世界ではヨーロッパの経済危機に伴う急激な円高。中国や北朝鮮との関係~

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東日本大震災チャリティ公演に思う 

新内協会理事長 鶴賀若狭掾 此の度の東日本大震災で亡くなられた方及び行方不明の方々に衷心より哀悼の意を表します。 また被災された多くの皆様に心よりお見舞い申し上げます。 三月十一日午後、地震・津波・原発事故が重なり未曾有の災害が起きました。国難の幕明きです。 天災は忘れた頃に来るとは云うものの、ある程度は予想されていたのですが、余りにも大き過ぎて人知の想定を遥かに超えたのです。自然界は小さな人間の及ぶところではありません。 人間は自然界に生まれ自然界の中で生かされている事を改めて認識し、自然界に畏敬の念を持ちます。 大いなる文明の発達で人間は自然界を相手にどこかで尊大になっていたかもしれません~

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アウシュビッツのガイドさん – 鶴賀 伊勢次郎

初めての方の為に自己紹介を少々。 このHPの主である鶴賀 若狭掾の弟子であり、新内演奏家です。 師匠が4回にわたってポーランド公演とこの度の大災害について述べていましたが、私もポーランドへ同行させていただきました。強烈に胸に刻み込まれた忘れられない旅になりましたねぇ。 ということで、まずはアウシュビッツ。 この残虐非道な歴史について、通り一遍の知識しか持ち合わせていなかったのだが、師匠が必ず行くと宣言したときには、関心はあるが、影響を受けやすい自分としては何かこう尻込みする感じがした。10代に広島や長崎の原爆歴史館に行ったとき、しばらく悪夢を見続けていた記憶があるのでね。 バスで現地に着くと、~

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日本の大災害とポーランド公演記(4)

帰国して時差ボケも取れた今、真剣に如何に被災者の為に出来るか、どのような行動をすべきかを考えています。 文化庁も芸団協も救援支援の呼び掛けを精力的に行っています。私も積極的に参加する意を表明しています。 お亡くなりになられた方々に衷心より哀悼の意を表し、そして1日も早く被災地の復興を支援し、被災された多くの方々の救援と慰安に、各ジャンル芸術家とも連携を共にして行動にうつしたいと考えています。 世界中が大きな難問を抱え苦労し、物心疲弊している中、多少の経済危機に直面してはいるが比較的平和で安定している日本の国民の多くが、平和ボケの安泰で、生活に満足心充足心がなく、あれが欲しいこれも欲しい、ああし~

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日本の大災害とポーランド公演記(3)

その会場にはマンガ館々長達の発案で日本の大災害支援の為の募金箱が設置されたのでした。そして集まった義援金が日本円で約30万円以上でした。入場者の殆どが学生や若者達で、その乏しいお財布から頂いた尊い義援金です。何と温かいお志でしょうか。胸が熱くなりました。 アンコール曲を演奏後、観客に向かい日本語ですが日本国を代表しての気持ちで御礼の言葉を述べました。そして必ずやこの貴重な支援金を生かすべき被災地なり、支援機関にお届けする事をお約束をし、お預かりしてきたのです。 そして日本が復興した目途が付いたなら、またクラクフへ再び戻ってお礼の公演をする事を約束しました。大きな拍手を頂きました。必ず来よう&#~

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日本の大災害とポーランド公演記(2)

クラクフはワルシャワから約300キロ南へ行ったところで日本の京都のような古都です。 ホテルへ入ってからすぐ車で強制収容所のアウシュビッツへ出かけました。 今回の訪問でどうしても見学をしたいとお願いをしていた場所です。今に残る大量虐殺の行われたアウシュビッツ強制収容所の建物。何の罪もないユダヤ人やポーランド人達が捕えられ連行されてガス室へ送られ殺された20世紀最悪の悲劇の場所。箱詰めされ何も判らず知らずに乗せられて来た汽車の鉄道の線路が悲しげに今も引かれてあった。ここが列車も人生も終着駅。そのまま殆どがガス室へ。幼い可愛い無邪気な子供たちも…。 収容者棟の中には数多くの遺品が展示して~

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日本の大災害とポーランド公演記(1)

悲しみは突然にやって来ます。 天災は忘れた頃にやって来る。いや日本人は忘れてはいません。 日本は災害の国です。毎年毎年、地震台風水害が各地で起きてます。 然し今回の天災は余りにも大き過ぎて想定外であり、人間の予想をはるかに超えたのです。 自然の壮大な力は人間の想像や頭脳の限界を遥かに超えたのです。 過去に体験した如何なるデータも人間が考え得る憶測でしかありません。 自然の恵みも怒りも神の領域であります。 云って見れば人間にはそれらは防ぎきれません。自然界は人間の力の及ばぬ所です。 然し人間の知恵で最小限に防ぎ得る事も可能です。 今回の大震災はどうであったでしょうか。 こらからの英知を結集した検~

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ポーランド公演に行きます

ショパン生誕200年を記念してコンクールや音楽イベントが多く開催されており、在ポーランドの日本大使館より招待のお誘いを受け、日本の伝統音楽を紹介するまたとない機会を得ました。 公演内容は鶴賀 若狭掾が昨年創作した芥川龍之介の「蜘蛛の糸」 新内を軸として和楽器と舞踊から構成された音楽劇。 さらには、新内の代表曲の「蘭蝶」を素浄瑠璃で。 舞踊の演目として地歌の「ゆき」これは鶴賀若狭掾が歌います。(新内風のゆきもとってもよいですよ) ポーランドの方は非常に親日的で、日本の文化の精神性の深さに興味を持っているようです。 能の公演などはよく開催されているようですが新内は初めての試みでどのような反応を得ら~

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鶴賀若狭掾日記

昨日は母の日。父の日のイメージよりほのぼのとして暖かい感じがするな。誰にでも母はいる、誰にでも母はいました。私にも素晴らしい母がいました。生まれてから一度も離れたことはなく、ずっと一緒に生活してきた母でしたが、その母が79歳で急死した。前の日まで元気でいたのに朝になったら冷たくなっていました。余りにも突然でした。そのとき私は仕事で留守していたのでした・・・。芸人は親の死に目に会えない・・・ト母の最期の教えだったのでしょうか。今思い出しても悲しく辛い、一生その思いは消えないと思う。今子供は2人とも親となり孫も3人になった。彼らの長として出来る限りのことはして上げたいと思っている。それには健康でい~

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