新作新内への取組み
新内協会理事長 鶴賀若狭掾
日本の伝統文化芸術が失われつつあるのは悲しくも周知の事実です。伝統芸能音楽もその中の一つでもあり、消滅の危機が叫ばれて久しいようです。それ程案ずる事はないと楽観視する方も中にはいますが、私は心配性なのかその危惧を訴えている一人であります。
その理由は兎も角として、新内の発展伝承の打開策を考えなくてはなりません。その一つとして新曲を創作することも大事と考えております。古典をベースとした曲調に、現代人が理解しやすく、楽しく分かり易い内容の作品を提供する。古典も最初は新曲でした。
名曲を即創る事は無理ですが、試行を重ねて新内の門戸を広げ、徐々に古典の素晴らしさに触れて頂くのは大切な事です。
新内演奏家が新作の重要性必要性を理解して創作に力を注いでいます。今回はそのような意義から古典に加えて新作も入れました。厳しい環境の中でより一層新内の伝承継承に、協会として真摯に取組んで参りたいと存じます。
よろしくご指導の程お願いを申し上げます。