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ご挨拶・令和3年11月25日

鶴賀若狭掾
鶴賀流11代目家元(会主)

江戸時代以降の芸能は廓を題材とした作品が多く見られます。落語にも廓話が多くありますが、三味線音楽も正に廓が主題のようです。これは近松門左衛門の名作浄瑠璃が人気を博し、それらが歌舞伎にも取り入れられて広まったためと思われます。
我が新内の三大名曲「蘭蝶」「明烏」「伊太八」も江戸吉原が舞台であり、遊女と馴染み客との世界。
遊女、女郎、花魁は遊郭や宿場で男性相手に性的サービスをする女性の事で、娼婦、売春婦の古い呼称。その中で花魁は最高級クラスの女性で格を表す呼び方であったそうです。
人身売買で廓に売られてきた少女は自らの意思で遊女になった訳ではなく、借金の方に売られてきたのです。莫大な借金を返済するために、身体を張って年期奉公をする地獄のような束縛された生活。
うら若い少女達に自由のない毎日の勤めの中では恋など望むべくもない。その中でふと出会った合方に心惹かれて、互いに愛し合う。恐ろしい廓の掟に恋の成就はあり得ないでしょう。その恋を成し遂げるのは死か廓抜けの道のみの命がけであったようです。
今回は江戸の吉原と大阪の新町の遊郭を舞台に、惚れあった遊女と馴染み客との哀しくも激しく散って思いを遂げた恋物語四題。心中の美学と言われる新内に相応しい作品であります。
本日はご多忙な処をご来場賜りまして誠に有り難うございました。終演までごゆるりとご鑑賞くださいませ。

鶴賀若狭掾 新内の会後に追加された情報
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