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アウシュビッツのガイドさん – 鶴賀 伊勢次郎

初めての方の為に自己紹介を少々。
このHPの主である鶴賀 若狭掾の弟子であり、新内演奏家です。
師匠が4回にわたってポーランド公演とこの度の大災害について述べていましたが、私もポーランドへ同行させていただきました。強烈に胸に刻み込まれた忘れられない旅になりましたねぇ。
ということで、まずはアウシュビッツ。

この残虐非道な歴史について、通り一遍の知識しか持ち合わせていなかったのだが、師匠が必ず行くと宣言したときには、関心はあるが、影響を受けやすい自分としては何かこう尻込みする感じがした。10代に広島や長崎の原爆歴史館に行ったとき、しばらく悪夢を見続けていた記憶があるのでね。

右端がガイドの中谷氏

バスで現地に着くと、もう午後3時を過ぎていて見学者も少なかった。ガイドの中谷さんという方に紹介され、皆彼の後から歩き始めた。私は緊張しながらも、なぜ中谷さんという方はここで日本人ながらガイドをしているのだろう。などと余計な事を考えた。年頃は40代半くらいかな。私と同じくらいの世代で、当然戦争も知らないし、なぜ彼は日本から遠く離れた、あまり馴染みのない国で、しかもアウシュビッツで・・・。なぜここにいるんだ?

中学生くらいの子供の団体がいくつかあり、中谷さんの説明によると、いわゆるユダヤ人なのだそうだ。彼らにとってはひいおじいさんやひいおばあさんにあたる方が、この場所で殺されたのだ。ここは墓地でもあるのだ。
この強制収容所はとても一日では回りきれないくらい広大なので、中谷さんの判断で誘導される。
どういったものを私たちが見せられたかは、師匠の日記にもあるので細かくはここでは述べないが、だいたい皆さんの想像通りである。

有名なアウシュビッツの門「ARBEIT MACHT FREI」(働けば自由になれる)

彼のガイドは、客観的で、分かりやすく、淡々として、自分の歴史観は一切語らず事実のみの説明に終始している。しかし、穏やかな語り口調の中に、彼の並々ならぬこの場所、この歴史に対する真摯な思い、感情を感じた。
彼は歴史的事実というものを、ドイツ、ロシア、その他のヨーロッパの国々、日本、またはユダヤ人といわれた人々、それぞれの角度から説明してれた。常に客観的に。
なぜこういった残虐非道な事が人間または一つの国家ができたのか?
彼はそうとう勉強しているんだろうな。そして、ずっーと思索し続けているんだろうな。
自分の見解を熱く語るガイドさんもたまにいるが、彼の客観的で穏やかなガイドのお陰で、冷静に最後まで歩くことができた。

大勢の人達の亡霊にさいなまれると恐れていたが、逆に今までより、歴史をもっと学び、人間について怖気づくことなく思索し思考し続けようと勇気をもらった気がした。彼にその事を伝えると、「ここに来た人間の反応は様々だが、少なくとも僕はここにくると元気をもらうんですよ。」と答えた。彼がなぜこの場所のガイドになったか、とうとう聞けなかったが、今度機会があれば聞いてみたいな。

アウシュビッツへ行こうと思っている方 ガイドは中谷さんがおすすめ!!地球の歩き方でも紹介されている有名なガイドさんらしい。大勢の人間達がここを訪れ、アウシュビッツは少し浄化されつつあるのかなあ。

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